セックスレス。
この言葉、本当に、本当に、本当に、よく耳にするようになった。
セックスを拒否する側は、「セックスしない」という身体的部分でのな選択なのかもしれない。
でも否定される側にとっては、セックスレスは、人格否定されたような気分になる。
普段は仲良しだけど、体の関係だけを否定される。
セックス「だけ」なんだけど、それがボディーブローのように、心まで蝕んでくる。
それがセックスレスの怖いところだ。
ナナさんは、お子さんが産まれてから3年ほど旦那さんとはセックスレス状態。
妊娠の期間も含めるともっと長いのかもしれない。
子育てしながらも、女性として身なりは気をつけてるハズなのに、どうしてセックスしてもらえないのだろう?そんな悩みから康太に連絡をくれた。
待ち合わせ
信号待ちをしてる女性が映った。
白のスカート、、日傘をさしている。
素敵な女性。
まだ20代、お子さんがいるようには見えない。
「はじめまして、康太です
よろしくお願いします。」
「ナナです」
状況を考えて駅から少し離れたコンビニで待ち合わせをした。
マスクしていても分かる素敵な笑顔。でも緊張してるのが伝わってくる
「康太さんって大きい人じゃなかったんですね。」
「ギラギラして胸毛もじゃもじゃしてそうなイメージでした。」
「あははは…そうですよ。こんな感じです。怖くないでしょ?」
たわいもない会話をしながら、すぐにホテルに到着した。
チェックインしても、あらためて彼女の心の声に傾けることにした。
彼女は旦那さんに頑張ってアプローチしているのがわかった。
「ねぇ、ハグしていい?」
旦那さんは、ナナさんのお願いを聞いてくれるが、彼の体は固まったまま…まるで丸太につかまってるみたい…
余計に悲しい気持ちになる。
お願いを聞いてくれたのではない、許可しただけなのだ。
「ねぇ、チューしていい?」
彼は応じてくれるが、体もくちびるも動かない。口は閉じたまま。濃厚なキスには程遠い。
虚しさが積み上がっていく。
夫婦間のセックスレスとは本当に切ない。一緒に暮らしてるのに、好きでもなければ嫌いでもない。
それなら一層のこと、振られた方がマシ…そう思ってしまいそうになる。
このまま頑張る方がいいのか、別の道を模索した方がいいのか、彼女は本当に、本当に悩んで依頼してくれたのだ。
僕が出来ることは、セックスレスを解消させてあげることではない。
セックスレスなんて簡単に解消できるわけないのは誰だって知っている。
彼女にしてあげられることは1つ、最大級のおもてなしで、自信を取り戻してもらうことだ。
あなたは素敵な女性だと、レスの前のナナさんを思い出してもらうこと。
女性として自信を持ってもらい、本来の彼女に戻ってもらうこと。
そして進みたい方向に進んでもらうためのアシストをすること。
シャワーを浴びる彼女を待つ間、ナナさんは今何を考えているんだろう?
後悔してないかな?
もしかして、本当は逃げ出したいって思ってる?
いやいや、何度も何度も確認したじゃないか!
大丈夫!彼女に最大のおもてなしをするんだ。
そう言い聞かせて待っていた。
シャワーから出てきた彼女は緊張はしてるが心は決まった様子で、「お待たせしました」と言って今度は僕がシャワーを浴びる。
性感マッサージ体験
性感マッサージを受けているナナさんは、絡まった気持ちの糸を解いていくように、少しずつ解放していく姿を…以前のナナさんを取り戻していく姿を背中越しに眺めていた
感度は?…言うまでもなく申し分ない。「勿体無いなぁ…」って何度思っただろうか。
体験終了後、ナナさんに率直な気持ちを聞いていた。
「これが旦那さんだったらなぁ…」「でも全然後悔してないんですよ」と目は少し潤んでいた。
「そうだよね、ゴメンね」謝る必要のない僕が謝り、「そんなつもりじゃないんです」慌てて彼女にフォローされる。
ナナさんに謝らせるなんて、なに言ってんだ俺…自分の選んだ言葉に反省
時間になりホテルを後にする
「距離とって歩いていいですよ。」彼女に伝えると、「そこのコンビニまで一緒に行きましょ!」彼女のその言葉に僕は安堵した。
「今日はありがとうございました」お互いにそう言って、それぞれの道に進む。
彼女はママで妻という日常に戻っていく。
僕は何をしてあげられたのだろうか?性感マッサージ?そんなのどうでもいい。
僕が提供したいのは、マッサージではなく特別な時間。僕しか提供できない時間ってなんだろう…答えのない答えをずっと探してる。
ナナさんから依頼をもらって1ヶ月経ったが、お会いしたあとのつぶやきはなくなった。もちろんセックスレスが解決したわけではないだろう。
何かのきっかけになればな…いい方向に進めばいいな…と思いながらこのブログを書いている。